【インタビュー】「エコハウスの専門家」が語る暖かい住宅の重要性とメリット

「断熱」や「省エネ」についての講演を数多く手掛け、全国各地の工務店への技術指導を精力的にこなしながら、YouTubeにも活躍の場を広げている「住宅業界のトップランナー」の一人、株式会社松尾設計室の松尾和也代表。
北洲本社に来社された際、多忙なスケジュールの中、インタビューする貴重な機会を得た。
松尾代表に「断熱」の重要性やメリット、今年3月刊行の新著『お金と健康で失敗しない 間取りと住まい方の科学(新建新聞社)』について伺った。

 


【プロフィール】
松尾和也さん(写真は当社応接室にて)
株式会社松尾設計室 代表取締役。一級建築士。APECアーキテクト。
1975年兵庫県生まれ。1998年九州大学工学部建築学科卒業(熱環境工学専攻)。
エコハウスに関する執筆や講演、技術指導を積極的に行っている。

 

 

■「断熱」についての世の中の関心は?

―東北で事業を展開している私たちからしても、まだまだ一般のお客様に「断熱」は響きにくいとの印象がありますが、松尾さんはどのように感じていますか。

松尾代表:東北に比べて寒さが緩やかな関西でも、断熱を求める人が少ないとは感じません。断熱の重要性は思っているよりは浸透しています。
国の求める基準はご存知のようにまだまだ低いのですが、私のようなYouTuberだけでなく、熱心に高性能住宅を提案し続けている企業や団体の地道な啓蒙活動によって、日本の消費者の知識はどんどんと底上げされてきています。この10年で状況は大きく変わってきています。それは私自身が強く肌で感じていることですね。

―そうなんですね。それは私たちにとっても嬉しいお話です。

 

■高断熱のメリットをどう伝えるか

―お客様の中には「冬は寒くて当たり前」という感覚の方もいます。これも断熱改修のハードルを上げている原因の一つではないかとの見方もあります。

松尾代表:「暖かい住まい」は、健康をはじめさまざまな面でメリットがあることを丁寧に説明することが重要です。私も、脳血管疾患や心疾患など重篤な病気だけでなく、皮膚のかゆみやぜんそく、アトピーなど家族の誰か一人は罹(かか)っているような疾患についても、断熱性能の向上で明らかに減ることを丁寧に説明しています。

例えば、今やテレビのゴールデンタイムでも健康関連番組がたくさん放送されていますよね。それほど国民の“健康”への関心は高いんです。
ただし、そうした番組で語られているのはほとんどが「食事」か「運動」なんですよね。
「居住空間」の重要性はまだまだ知られていない。
高断熱じゃなければいけないというよりも、室温を上げることがいかに健康にとって重要かということをしっかりと伝えていく必要がありますね。

―そうですね。その点は私たちもまだまだ努力が足りていない部分だと感じています。
住まい環境がいかに健康に寄与するかということを理解していながら、なかなかうまくお客様に伝えられていないと反省しています。

松尾代表:その時には、やはり伝え方が重要ですね。
納得を得るには、きちんと根拠を示して説明することが肝心です。
 
―幸せに豊かに暮らすためには、「経済的に失敗しない」という「お金」の側面と「健康に暮らす」という2つが重要なウエイトを占める、というお話を本にも書いていらっしゃいます。
確かに、リフォームを検討されているお客様には当然「予算」というものがついてまわるのですが、住宅性能を向上させるリフォームにかかる費用と今後の光熱費・冷暖房コストの関係をうまく説明する必要性も感じています。

松尾代表:そうですね。もっと言うと「トータルコスト」が重要です。
人によって「工事費+ランニングコスト=トータルコスト」は違いますから、トータルコストで考えることが大事です。そこには健康コストも関わってきますね。
例えば、脳梗塞になった場合、手術費用は平均で77万円。その後の生活にかかってくる費用を全部試算するとだいたい800万円くらいと言われています。
あくまでそれは一例ですが、リスクの高い住環境に身を置くことでかかるかもしれない費用も考慮に入れ、断熱改修でそのリスクを減らしてあげるということを検討してもらう必要があると考えています。

―ありがとうございます。
そうですね、お客様の立場に立って、暖かい住まいで暮らすことのメリットをコストの面からもしっかりと伝えていけるよう、心掛けていきたいと思います。

 

■当社の断熱改修の取り組みについての感想は?

―目先の費用ではなくトータルコストで考えてもらうという点においては、人間でいうところの“健康診断”に当たる「住まいの現状把握」がとても重要だと考えています。
当社では断熱リフォームを提案する際、「JJJ断熱診断」というツールを使い、既存の住まいの性能を数値化した上でプランニングする取り組みを進めています。改修後の計算値と比較してご提案すると、とても興味を持っていただけます。

松尾代表:あれは素晴らしいツールですが、実務で活用しているのはすごい。
もっとアピールした方がいいですよ。
大切なのは、一般の方々にもしっかりと納得できるように説明することです。将来病気になったときにどのくらい費用がかかるのか、介護費用はいくらか、客観的なデータとともに丁寧にご提案することが大切です。
行政や医療機関と連携した啓発活動も必要でしょう。
どこの市町村も医療・介護費用のひっ迫は切実です。
北洲さんほどの実績があれば、そうしたことにも取り組んでいけると思います。

―ありがとうございます。自分たちの取組みにさらに自信が持てました。
お客様のためにこれからも積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

■気になる新著の内容は?

―最新の著書「お金と健康で失敗しない 間取りと住まい方の科学」は、一般の方にもとてもわかりやすい内容ですが、どんな読者をイメージして書かれたのですか。

松尾代表:新築やマンションの購入、賃貸物件を考えている人、現在の住まいで結露やカビに悩む人など、誰にでも役立つ内容です。
私がお客様に物件を引き渡す際に、1時間かけて説明していることを本にしたイメージです。
それに加えて、友達にマンション選びやエアコン選びなどについてアドバイスするような感じの要素も盛り込んでまとめています。

 

■住まいの環境改善を考えている人へのアドバイスを

―最後に、今、住まいの環境を改善したい、家を暖かくしたいとお考えの方にアドバイスをお願いします。

松尾代表:世界中のほとんどの国や自治体において、最低室温規定というものが制定されています。大半が18℃以上と規定されていて、健康上理想的には21℃以上とされています。
これは世界中の多くの統計調査から導かれた、明らかな事実です。
多くの人たちにも知ってもらい、居住環境の改善を検討してもらいたいですね。

ただし、残念ながらリフォームで高断熱改修をきちんとできる会社は、北洲さんを含めて全国に数社しかないと思います。それ以外で探すのはきわめて難しい。
「じゃあどうすればいいの?」と聞かれたら、新築で高断熱ができる会社を探してリフォームを頼み込むしかないと答えるでしょう。
それぐらい、リフォームで高断熱化するのは難しいことなのです。
ここまで述べてきたように、「暖かい住まい」は健康についてはもちろん、生活のあらゆる面でメリットをもたらします。
それだけに、まずは高断熱改修で実績があり、信頼できる会社に相談することが大切です。

 

■インタビューを終えて

データに裏打ちされた説明、わかりやすく親しみやすい語り口。
エコハウスに関心がある人たちを中心に、YouTubeの登録者数・視聴数がうなぎのぼりの理由が垣間見えた。
松尾さんが強調していたのは、お客様のために具体的なメリットを提示する重要性、その根拠をしっかりと説明することの大切さだ。
住まいの環境が健康に及ぼす影響、暖かい住まいのメリットなど、リアルにわかりやすく伝える必要性を強く感じた。

 

◆最新の著書
「お金と健康で失敗しない 間取りと住まい方の科学」 株式会社新建新聞社、2022年3月刊

リフォーム支援事業の調査結果が示す「求められる断熱改修」

既存住宅の性能を向上させるリフォームは、省エネルギーの観点からもここ数年、国が力を入れて推進している分野の一つだ。さまざまな補助事業が創設され、後押ししている。
それでは、リフォームの目的、その結果見られた変化、当事者の実感はどのようなものだろうか。今年1月に公表された、令和2年度の「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」についての調査報告書が、それらを明らかにしている。

※同事業は「一般社団法人 環境共創イニシアチブ」を執行団体に、既存住宅の省CO₂と低炭素化を促進する断熱改修の支援を目的として、1次~3次公募(2020年5月~11月)が実施された。補助金交付は全国478件。調査報告書は、このうち320件についてのアンケート結果を分析した。

 

断トツで高い「断熱改修のニーズ」

リフォーム工事の実施理由として、断トツのトップは「室内の暑さ/寒さへの対策のため」(82.5%)で、2番目の「築年数に応じた老朽化のメンテナンスのため」(60.6%)を大きく引き離している。
断熱改修のニーズの高さがくっきりと表れていると言える。

 

戸建住宅、集合住宅とも断熱改修の理由は「リビングなどの環境改善」

断熱改修に焦点を当ててその目的を尋ねると、戸建住宅では、「リビングなど主な居室の暑さ/寒さといった環境を改善するため」が93.4%で突出している。

集合住宅でも、トップは同じく「リビングなど主な居室の環境改善」(74.3%)だが、2番手の「カビや結露の発生などの、宅内環境を改善するため」(65.7%)の割合の高さも注目される。

住宅の種類によるこうした違いは、リフォーム事業者としても納得の結果だ。

 

改修前後で暖房設定温度に変化が

断熱改修の前後での暖房設定温度の変化を見ると、改修前より設定温度を1℃以上下げた割合は77.1%にのぼる。
改修後の暖房設定温度が平均で2.3℃下がった、との結果も示されており、温熱環境の変化がはっきりと表れている。

 
さらに、改修による光熱費は、「安くなった」「やや安くなった」を合わせて70.7%。
リフォームは日々の家計のやりくりにも温かいようだ。

 

断熱改修への満足度は?

断熱改修への満足度は、「満足」「やや満足」を合わせて92.5%に達している。
居室の温熱環境の改善が一番の目的とされる中で、暖房設定温度も光熱費も下がった結果が表れていると言える。

 

実際、改修後の状況について、「暖かく快適に過ごせるようになった」(86.8%)との回答が他を大きく引き離してトップになっている。
2番目の「遮音性が上がり、外の音が気にならなくなった」(54.9%)は、断熱性向上の副次的なメリットとして、実際によく聞かれるものだ。
こうした結果は、今後リフォームを検討する人たちにとって、何よりの安心材料になるのではないだろうか。

 

一方で、報告書には「期待した程の断熱が感じられない」「室内ドアの施工が悪い為、断熱遮音が悪い」「結露が発生する」など、不満の声も示されている。
いずれも施工業者の質による問題との印象を覚える。

断熱改修の効果は確実にあり、その成否を左右する要素として、しっかりとした実績を持つ信頼できる施工業者に依頼することも重要だと、調査結果は示しているように思える。

 

重要性が増す既存住宅の性能向上リフォーム

脱炭素化を着実に進めることが求められる中で、既存住宅の断熱性能を向上させるリフォームは重要な役割を果たす。
コロナ禍や国際情勢の複雑化によるエネルギー価格の高騰などを考えれば、その重要性はさらに増すだろう。

国の後押しも上手に活用して、省エネと健康を両立し、経済性も備えた暖かい住まいを一人でも多くの人が実現してほしいものだ。

 

◆出典/一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和2年度 次世代省エネ建材支援事業 調査報告書(2022年1月)」
※図表も上記資料より引用

“暖かい住宅が座り過ぎを防ぐ” 温熱環境と身体活動の深い関係

徐々に春が近づいているとはいえ、まだまだ寒いこの時期。
屋内で過ごす時間が長くなると、どうしても座って過ごす時間が増え、身体を動かす活動が減ってしまう。
こうした身体活動と住宅の温熱環境の関係について、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会・研究企画委員会が、興味深い研究成果を発表している。

 

座り過ぎは寿命を短くする

室内で過ごす時間が増えると、テレビの視聴やパソコンでの作業、読書など座って過ごす時間が長くなりがちだ。
快適な過ごし方に思える座位時間だが、長くなることで死亡リスクの上昇につながるようだ。
テレビの視聴時間と死亡リスクの調査結果にそれが表れている。


 ※1時間以内を1とした視聴時間ごとの死亡リスクのハザード比。横軸は視聴時間。

 
視聴時間が1日7時間以上の場合、1時間以内に比べて総死亡リスク(すべての原因による死亡リスク)は約60%高く、心血管疾患の死亡リスクでは85%も高い。
座り過ぎは、私たちの寿命を蝕む要因になっていると言える。

 

日本人の座位時間は世界屈指の長さ

日本人にとって驚きの調査結果がある。

世界20カ国・地域の平日1日当たりの座位時間を比較すると、日本は420分で世界平均(300分)を大きく上回る。これはサウジアラビアと並び最長だ。

 

コタツの使用や非居室が寒い日本の住宅

屋内で過ごすことが増える冬は、住宅内で少しでも身体を動かすようにし、座り過ぎを抑制することが重要になる。

しかし、日本ではコタツの使用や脱衣所などの非居室が寒い住宅が多い。
コタツの使用は座位姿勢を促し、非居室が寒いと居間で過ごす時間が増える上に、移動や脱衣に対する身体的苦痛や心理的抵抗から、座位行動の助長につながっているのではないか。
この問題について次のような調査結果がある。

 

コタツ使用や非居室の寒さが身体活動に及ぼす影響

「コタツを使用する場合、しない場合」「脱衣所を暖房する場合、しない場合」の住宅内の座位行動の差について、4年にわたる調査データから3,482名を分析した結果がある。

「コタツ使用なし(コタツ以外の暖房を使用)」は「コタツ使用あり」に比べ、座位時間が男性で-6分/日、女性で-8分/日と減少し、逆に身体活動は男女ともに増えている。
また、「脱衣所暖房あり」は「脱衣所暖房なし」より男性-5分/日、女性-8分/日で、身体活動についてもコタツの場合と同様の傾向を示した。

「コタツ使用なし」「脱衣所暖房あり」は、座位行動を抑制し、身体活動を促すと言えるだろう。

 

座位行動抑制にとって重要な住宅の温熱環境

この研究結果から、死亡リスクを高める座位行動を抑制する上で、住宅の温熱環境が鍵を握っていることがわかる。
つまり、省エネルギーの観点からも「住宅の断熱性能を高めること」が重要と言える。

断熱性能の低い住宅については、「暖房を適切に使用し、居室と非居室を暖かく保つことで、座位行動を抑制し、身体行動を促進させる可能性がある」との知見が示され、あわせて以下の方法が提案されている。
・居間などの居室 – 局所暖房を使用せず、部屋全体を暖める暖房を適切に使用
・脱衣所やトイレなどの非居室 – 寒さを我慢せず暖房を使用、滞在時だけでも暖房を使用

 

コロナ禍で住宅内の座位行動抑制がますます重要に

さらに、長引くコロナ禍が私たちの身体活動の減少にも影響している。
WHO(世界保健機関)によるパンデミック宣言後、世界各国・地域の1日当たりの平均歩数が10日間で5.5%(287歩)、30日間で27.3%(1432歩)減少した、との調査結果もある。

収束が見通せない一方で、テレワークの拡大など働き方の変化に伴い在宅時間が増えている。
こうした中で座位行動を抑制するには、住宅の断熱性能を高め、適切な温熱環境を実現することが、より一層重要になるだろう。

 

◆出典/スマートウェルネス住宅等推進調査委員会・研究企画委員会発表資料(2021年1月26日)
※図表も上記資料をもとに作成

高血圧のリスクが高い人ほど断熱改修を!

室温と血圧の関連については、重要なテーマとして何度か取り上げてきた。
今回は断熱改修の前後で血圧にどのような変化が現れるのか、また、対象者の属性によってどんな差があるのかという研究成果を元に、改めて断熱改修がもたらすメリットについて考えてみたい。
 

部屋間を移動する際の急激な温度変化が血圧に大きな影響を与えることはすでによく知られているが(=ヒートショック)、住まいの室温自体が変わることで住む人の血圧がどう変化するのかということについては、どのくらい知られているだろうか。

スマートウェルネス住宅等推進調査委員会では、改修前後の居住者の血圧や活動量等、健康への影響を2014年~2019年にわたって調査し、それ以降も追跡調査を継続している。
2021年1月26日に開かれた「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査」の第5回報告会で報告された知見の1つが「断熱改修の前後で、朝の最高血圧・最低血圧が有意に低下する」というものである。
分析結果は下記のとおり。
ベースラインの血圧、年齢の変化量、BMIの変化量、外気温の変化量を多変量解析により調整し、血圧の変化量を試算。それを断熱改修前の平均値と比べたものである。


※住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査「第5回報告会」資料より
 

起床時の最高血圧で3mmHg以上、最低血圧で2mmHg以上も下がっていることがわかる。

また、非常に興味深いのが「属性」別の違いである。
年齢や性別の違いの他、喫煙する人・しない人、飲酒習慣のある人・ない人、などいくつかの属性による差が明らかにされている。
これによると、いわゆる「循環器疾患のハイリスク者」ほど、断熱改修による効果が大きく現れているということがわかった。


※住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査「第5回報告会」資料より
 

まず第一に高血圧で通院している人とそうでない人の差が非常に大きく、高血圧を患っている人は断熱改修により7.7mmHgも最高血圧が低下している。
また、65歳以上の高齢者では65歳未満の方よりも血圧の低下量が大きく、断熱改修をすることで大きな恩恵を受けていることがわかった。
その他の属性で見ても、軒並みハイリスク者の改善メリットが大きい。
断熱改修の意義が力強く示された研究成果だろう。
 

今回は紹介できなかったが、「室温が安定している住宅では血圧の変動が小さい」ことを示すいくつかの研究成果も発表されている。
室温と血圧との関連については、今後さらに多くの知見が得られていくことが期待される。
今、“高血圧予防”という点では、食事や運動、飲酒、喫煙といった生活習慣が重視されているが、今後、この「室温環境」というものの影響が高く評価される日も近いのではないだろうか。

年末年始は特に注意! ~高齢者の家庭内事故~

年末年始は高齢者の方にとっても普段とは違った行動を取ることが多い時期。
家族の帰省や会食などが増える楽しい時期でもあるが、家庭内の事故についても増える傾向があるという。
 
消費者庁は毎年12月に「高齢者の事故防止に関する注意喚起」を行っている。
毎年繰り返し注意喚起されている事項は、基本的には大きく3つ。
窒息溺水転倒の3つである。

 

餅による窒息が原因の死亡事故。その4割は1月に。

餅がのどに詰まって窒息してしまう。
そんな痛ましいニュースを見聞きすることが多いのはやはり年始の時期ではないだろうか。
実際に消費者庁が公表している資料を見ると、はっきりとその実態がわかる。

 
[65歳以上の、餅の窒息事故による月別死亡者数]

平成30年と令和元年で合計661人の高齢者が餅による窒息で亡くなられているが、1月の発生がその4割以上を占めている。
そして、その1月の中でも正月三が日の事故が127件と、全体の約20%に上っているのだ。

 
事故を防ぐためのポイントとしては5つ。
1.餅は小さく切って食べやすい大きさにすること
2.お茶や汁物などを飲んで、喉を潤してから食べること
3.一口の量は無理なく食べられる量にすること
4.ゆっくりとよく噛んでから飲み込むこと
5.高齢者が餅を食べる際は、周りの人も食事の様子に注意を払うこと

 
自身でもこれらのことに気をつけながら、周りの高齢者に対しては特に注意を払っていくことが重要だ。
帰省した際などにも、改めてこれらの注意事項を頭の片隅にしっかりと置いておきたい。

 

入浴中の溺水。自宅の浴槽内での死者数は交通事故の約2倍。

室温等の住宅環境が大きく影響している「入浴中の溺水」というテーマに関しては、これまで何度か取り上げているが、消費者庁としても繰り返し注意喚起を行っている。
下記のグラフは厚生労働省の「人口動態調査」からのデータである。

 
[高齢者の不慮の溺死及び溺水による死亡者数の年次推移]

 

高齢者の「不慮の溺死及び溺水」の死亡者数全体と同様、「浴槽における溺水による死亡者数」は平成29年以降減少傾向にあるが、未だに高い水準で推移している。
令和2年の「家及び居住施設の浴槽における死亡者数」は4724人もおり、「交通事故」による死亡者数2199人と比べても2倍以上の数になっている。
 
特に冬場に多く見られることから、年末年始の時期も注意が必要だ。

 
消費者に対するアドバイスとして具体的に消費者庁が発信しているのは下記の6つ。
1.入浴前に脱衣所や浴室を暖めておくこと
2.湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
3.浴槽から急に立ち上がらないようにする
4.食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
5.入浴する前に同居者に一言掛けて意識してもらう
6.湯温や部屋間の温度差、入浴時間など温度計やタイマーを活用して見える化を行う

 
こうしたことも改めて意識をし、同居の高齢者がいる場合は頻繁に声掛けをするなど、目配りを怠らないようにしたい。

 

高齢者の掃除中の事故は12月がダントツで多い。

3つ目の注意喚起事項は「掃除中の転落等の事故」だ。
下記、東京消防庁の「救急搬送人数」のデータを見ると、やはり大掃除を行うことが多い12月に、最も多くの人が「掃除中の事故」で救急搬送されていることが一目瞭然だ。

 
[高齢者の掃除中の事故、月別救急搬送人員(東京消防庁管内)]

 
そして、その年代別の内訳を見ると、70歳代をトップに高齢者が非常に多いことがわかる。

 
[高齢者の掃除中の事故、年代別救急搬送人員(東京消防庁管内)]

 
高齢になっても元気に掃除に励む方は多いが、やはり加齢による身体機能と認知機能の低下で、バランスを取ることやとっさの対応が難しくなることは否めない。
慣れない脚立やはしごを用いた作業中に身体のバランスを崩したり、脚立等が倒れたりして転落すると、死亡事故につながったり、重症を負うおそれがある。
安定した場所で無理のない範囲で作業することがとても重要だが、できることならば、何よりも「一人で作業しないこと」、そして「脚立やはしごを使った高所作業は極力控えて他の人に任せること」が望ましい。

 
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どれも取り立てて真新しい注意事項ではないものの、データが示すとおり、こうした家庭内事故が年末年始に極端に多いことは間違いない。
それぞれがこの機会に改めて意識し直すことは大切なことだろう。
 
注意を重ねるのに越したことはない。
高齢の家族がいる人は、特に年末年始は目配りを怠らず、穏やかな年末年始を過ごせるように気をつけていきたい。

 
 
◆データ出典/消費者庁公表資料(2021年12月8日)
「高齢者の事故に注意し、年末年始を安全に過ごしましょう!-餅による窒息、入浴中の溺水、掃除中の転落等に注意」
「(別添)高齢者の事故に関するデータとアドバイス等」
※ 図表も上記資料より

“寒い冬には特にこたえる!” 「関節症」と「室温」との関係。

秋も一段と深まり、冬の足音が聞こえてきた。
寒い時期が近づくにつれ、関節が痛んだり腰痛に悩まされる人も多いのではないだろうか。
今回は、そうした関節症や腰痛の症状と室温との関係を調査した分析結果を紹介したい。
※スマートウェルネス住宅等推進調査委員会・研究企画委員会の研究成果より

 

◆関節症と室温との関連

冒頭に触れた「関節の痛み」に関する「室温との関係」を調査した結果は下記のとおり。

居間の室温が18℃以上の群と比べると、18℃未満の群は関節症であるオッズはなんと2.7倍
居間が寒いと関節症である可能性が高い、ということが言える。

 

◆腰痛と室温との関連

では、「腰痛症」と「室温」との関連はどうだろう。

居間の室温が18℃以上の群と比較すると、18℃未満の群は腰痛症であるオッズは2.8倍
こちらも居間が寒いと腰痛症である可能性が高い、という調査結果が報告されている。

“寒いと関節が痛む” というような状況はイメージとしては理解できているが、これだけ明快に数値で示されると、一層納得感が増すのではないだろうか。
寒い空間で過ごすことが多い生活環境だと、「皮膚表層部の血流量が減少し、周辺の筋肉が硬直してしまうことが関連している」と、その原因を結論づけている。

 

◆高血圧と室温との関連

本サイトの記事で再三取り上げている「血圧」についてはどうだろうか。
分析結果を見てみよう。

少し表が読み解きにくいかもしれないが、
居間も脱衣所も18℃以上(つまり家全体が暖かい)の群と比べて、脱衣所が18℃未満の群は高血圧であるオッズが1.5倍
居間も脱衣所も18℃未満の群は高血圧であるオッズが1.6倍という結果だ。

これまでの多くの研究結果が実証しているが、寒い室内環境が高血圧の原因となっていることは疑う余地も無いだろう。
そしてまた、この分析結果が示しているとおり「居間だけが暖かくても、部屋間の温度差が大きい場合には高血圧のリスクが高まる」ということはしっかりと意識しておきたい。

 

◆糖尿病と室温との関連

これまであまり取り上げたことがなかった「糖尿病」と「室温」との関連についても、興味深い結果が出ている。

閾値*は14℃。居間と脱衣所の室温が14℃以上の群と比較して、居間が14℃以上かつ脱衣所が14℃未満の群は糖尿病であるオッズが1.6倍
居間と脱衣所の両方が14℃未満の群と比べて、脱衣所だけが14℃未満の群の方のオッズが高いことから、部屋間温度差が大きいと糖尿病である可能性が高い、という結論が導かれている。

*閾値(いきち・しきいち):数値的な境。境界線となる数値。

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今回紹介した研究結果は、“ベースライン分析”として「室温」と「傷病・症状」との関連性を明らかにしたものだが、研究者の間では既に、住まいの改修 “前後”における傷病・疾病の改善状況のデータ分析も進んでいる。
暖かな室内環境(かつ、部屋間温度差の無い空間)が各種疾病に対して少なからぬ影響力をもっていることは間違いない。

家族の健康は何ものにも代えがたい。
新築にせよ、リフォームにせよ、暖かな室内環境を実現することは、今後一層譲れない条件になってくるだろう。

【住まい手インタビュー】高断熱高気密住宅+全館空調システムで快適な暮らし!

前回の記事では、北洲の住まいの温熱環境調査の結果、高断熱住宅は概ね快適な温熱環境を実現できていること、とりわけ全館空調システムを採用し、冷暖房設備の連続運転を行なった場合にはさらに温度が安定することについて、データをもとに紹介した。

では実際の住まい手の快適性はどうなのか、その評価を施主であるK様に聞いた。

 


※写真はイメージ

 

『基本性能』を重視した家選びと、家族で住みながらつくる『快適性』

― K様邸は延床面積が約54坪、二世帯住宅として建てられたそうですが、家づくりで重視したのはどんなことですか?

K様(ご主人):断熱性・気密性を含めた基本性能と全館空調は絶対条件でした。それと、安全性と耐火性はもとより、メンテナンスのしやすい外装材、この3つです。
それ以外のこと、間取りや仕様なんかは、すべて妻と息子夫婦に任せましたね(笑)。

 

― 1年間、リビング、脱衣室、寝室の3か所で温熱環境測定を行わせていただきましたが、驚くほど温度が安定していました。

K様:基本性能がしっかりしているから、全館空調で家中が均一な温度になるのだと思います。ただ、住みながら工夫した点はいくつかあります。
例えば、我が家の場合、南西に位置する子世帯のリビングダイニングは、デザインの都合で軒の出が無いため、どうしても夏場に西日が入ると、少しだけ温度が上がってしまいます。そこで、リビングの入口側から室内へ、対角線上に扇風機で風を送ってみたところ、対流が起きてリビング全体がとても快適になりました。
このように、家族みんなで少しずつ工夫を重ねて、住みながらさらに快適な家にしていきました。

 

― 住んでからの調整でさらに快適になったのですね!夏は西日対策とのことですが、冬場はいかがですか?

K様:冬場は、天気予報で明朝の気温が低いことが分かると、就寝前に設定温度を少し上げました。そのおかげもあってか、北側の私の寝室に設置した温度計では、データからもわかるとおり21度以上をキープしていて、とても快適でした。
私の場合は、以前の家がとても寒くて、結露もひどかった。とにかく暖かい家は絶対条件でした。全館空調は全部屋を暖めるので、光熱費は少し高くなりますが、妻は風邪をひくぐらいなら光熱費がかかってもいいと言います。私もその意見に賛成で、風邪をひいて寝込むよりも、元気に光熱費分を働いて稼いだほうがいい(笑)。新居に引っ越して5年になりますが、引っ越してから実はまだ一度も風邪をひいていないんです!

 

 

 

熱効率と快適性、コストのバランスに配慮した住まいづくりを

家自体の基本性能がいちばん重要なことは言うまでもない。断熱はあとから容易に追加できないし、長く暮らす場所だからこそ、数十年先まで見据えてつくる必要がある。
そのうえで、家中の温度ムラをなくすためには、冷暖房設備の連続運転が欠かせない。ダイキン工業の調査によると、エアコン稼働の時間帯によっては連続運転のほうが、間欠運転よりも消費電力が少なくて済むというデータもある。
https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05/

前回、建築的手法と機械的手法の組み合わせが重要であることを述べたが、K様のお話からわかるように、これらの手法に加えて「住まい方の工夫」が合わさることによって、快適性は向上する。

 

 

熱効率と快適性、ランニングコストのバランスに配慮した家づくりが重要である。決して簡単なことではないが、北洲はそのベストバランスをこれからも追求し、健康的な暮らしのために提案していきたい。

 

【温度の実測データ公開】暖かい住まいの真価とは?

近年、住宅業界では高断熱化が浸透し、次世代省エネ基準をクリアしている新築戸建住宅は全体の53%に及ぶ(国土交通省2015年度調査による)。ただし、次世代省エネ基準の適合については、断熱性を表すUA値や一次エネルギー消費量の基準によって判定されるため、それらはあくまで計算値である。

省エネ住宅の温熱環境の実態はどうなっているのか。果たして本当に快適なのか。住み手の健康維持増進につながっているのか。
住宅メーカーとしてその答えを知るべく、北洲では温熱環境調査を行なっている。

施主の方々の協力のもと、温熱環境測定と健康調査を行なっており、リビング、脱衣室、寝室の3ヶ所に温湿度計を設置いただき、1年分の温湿度データを収集している(※1)。
高断熱高気密住宅であっても、外気温の影響は受ける。また、ライフスタイルや冷暖房機器の使い方によって快適さは変わってくる。住まい手がどのような暮らしをし、温熱環境がどのように変化するのかを測定し、これからの家づくりや住みこなし方の提案に活かしていこうという取組みである。

※1 北洲ハウジングが設計施工した戸建て住宅に住む居住者に行なった健康調査。期間および人数:2019年3月1日~2020年2月29日67名、2020年4月1日~2021年3月31日50名。CASBEE『健康チェックリスト』と生活習慣等に関するアンケートの記入、年間を通して温湿度計の設置などを実施。

 

高断熱住宅は快適温度を維持 ~冷暖房の連続運転でさらに快適に~

結果を見て、ほっと胸をなでおろすことができた。断熱性能が高い当社の住宅は、1年を通して快適な温熱環境を実現できていることが調査から明らかになった。なかでも特筆すべきは、冷暖房設備に全館空調システムを採用した住まいである。

全館空調システムを採用することで、冷暖房設備の連続運転により、一年を通して、家中が快適な温度帯で安定して推移していたのである。

 

K様邸2月(冬期)の温度データ

 

上のグラフは、全館空調システムを採用しているK様邸(宮城県仙台市)の冬期2月の室温測定結果である。住宅性能はHEAT20 G1相当で、国の省エネ基準よりもさらに高い、民間の断熱基準をクリアしている。
仙台の2月は、外気温がマイナス5℃近くまで下がった日があるにもかかわらず、K様邸の室温はリビング・脱衣室、寝室ともに20~25℃の間で推移していた。建物自体の断熱性能はもちろんだが、全館空調システムによる暖房の連続運転が、室温を安定させ快適な環境をつくり出していると考えられる。

 

K様邸8月(夏期)の温度データ

 

夏期8月はどうだろうか。8月は外気温が35℃近くまで上がる日もあったが、K様邸はリビング、脱衣室、寝室いずれも25℃前後をキープしていた。

 

建築的手法と機械的手法の連動で叶えられる「省エネルギーかつ快適」な空間

高断熱住宅は魔法瓶のような構造で、外の熱を内側に伝えづらくするため、少ないエネルギーで室内を快適温度にすることが知られている。だが、建物の性能だけでは、冬の場合、暖房を切ってしまうと室温が下がるのを防ぐことは難しい。K様邸では、全館空調を常時オンにしていることで、とろ火のような状態で暖房の連続運転が行われ、一定温度をキープしていることがわかる。

まずは建物自体(=建築的手法)で快適性をつくることがなによりも重要である。そのうえで、冷暖房設備(=機械的手法)に少しだけ頼り、最適な運転を行なうことで、健康的な暮らしを送ることができる。

 

自宅の快適性を施主であるK様はどのように感じているのか?住み心地はどうなのか?
実際にインタビューした内容を次回の記事では紹介したい。

【北洲オーナーの調査結果】/『CASBEE®健康チェックリスト』調査

住まいの健康性を診断できるツールがあるのをご存知だろうか?

CASBEE(建築環境総合性能評価システム)のひとつに『健康チェックリスト』がある。北洲では施主の方々の協力のもと、温熱環境測定と同チェックリストをベースにした健康調査(※1)を行なっている。この取組みは、多くの調査データを集め公表していくことで、住まいと健康の関係と、その重要性を広く知ってもらうことが狙いだ。今回の記事では、自宅の健康性をチェックできるツールの紹介と、北洲で行なった調査結果の一部を紹介していきたい。

※1 北洲ハウジングが設計施工した戸建て住宅に住む居住者(67名)に2019年3月1日~2020年2月29日の期間に行なった健康調査。CASBEE『健康チェックリスト』と生活習慣等に関するアンケートの記入、また、1年間の温湿度測定(居間・寝室・脱衣室)と家庭内血圧の測定にご協力いただいた。

 

『CASBEE健康チェックリスト』とは

出典:CASBEEすまいの健康チェックリストについて(パンフレット)
https://www.ibec.or.jp/CASBEE/casbee_health/files/pamphlet.pdf

 

『CASBEE健康チェックリスト』は、住まいの健康性を評価するソフトである。
50項目の質問に答えることで、自身の住まいが健康にどのような影響を与えているのか、その要素をみつけることができる。

出典:CASBEEすまいの健康チェックリストについて(パンフレット)
https://www.ibec.or.jp/CASBEE/casbee_health/files/pamphlet.pdf

 

実際に暮らしていると、住まいに対して「暑い・寒い」や「窓が結露してカビが生える」「日当たりが悪い」「外の騒音が聞こえる」「家の中に段差が多い」など様々な気づきがあるものだが、そのまま見過ごしてしまうケースも多いのではないだろうか。この健康チェックリストでは、そのような居住環境の異常性の有無に気づき、改善のきっかけを得ることができるため、住まいを改善したい、より良くしたいという方にはぜひ実施してもらいたい。

出典:CASBEEすまいの健康チェックリストについて(パンフレット)
https://www.ibec.or.jp/CASBEE/casbee_health/files/pamphlet.pdf

 

また、スコア化と同時に、全国6000軒の戸建住宅と比較した健康ランキングを知ることができる。あなたの総合スコアが全国平均と比較して高いのか低いのか、また項目や居室ごとにはどうか等を比較することができる。


出典:CASBEEすまいの健康チェックリストについて(パンフレット)
https://www.ibec.or.jp/CASBEE/casbee_health/files/pamphlet.pdf

 

『CASBEE健康チェックリスト』でなぜ健康性が分かるのか

『CASBEE健康チェックリスト』では、これまで全国5,000軒以上の居住者の回答を得るとともに、回答者自身および家族の健康状態についても尋ねている。その結果、総合スコアが高い住宅に住む人ほど主観的健康感が統計的に有意に高いことがわかった。また、病気の有無について尋ねたところ、総合スコアが高い住宅に住む人ほど慢性疾患にかかる人の割合(有病率)が少なくなることがわかったという。

そのため、健康チェックリストの総合スコアを高めることが、居住者の健康改善につながる可能性があると考えられている。

 

北洲オーナーの調査結果は?  ~総合スコアは105点に~

次に、北洲ハウジング居住者の調査結果を紹介しよう。
今回の調査では、北洲ハウジングが設計施工した戸建住宅の居住者67名を対象に、『CASBEE健康チェックリスト』を実施した。

その結果、北洲の居住者の総合スコアの平均は105点となった。

ちなみに全国平均は91点。
調査に協力頂いた法政大学 川久保 俊教授は次のように語る。

「これは全国平均と比較して14点の差です。この差は非常に大きいです。住めば都というように、どんなに性能の悪い家でもある程度人は満足してしまいますし、逆に理想が高くてどんなに性能の良い家でも満足しない人もいます。過去に全国でこの調査を実施してきましたが、どこでもおおよそ80~100点に収まります。この平均点が100点を超える場合は良質な住宅を市場へ供給できていると考えていただいて問題ないと思います。」

 
チェックリストの質問項目には、「暖かさ・涼しさ」や「静かさ」に関する要素があり、これは高断熱・高気密住宅の特性である快適な温度や温度差のない空間、遮音性などが影響すると考えられる。また、「明るさ」「安心」「安全」といった要素は、照明・カーテン計画や間取り上の配慮、段差の解消や手すりの設置などのバリアフリー設計などが影響すると考えられる。

住宅のつくり手としては、建物自体の基本性能を高めることが住まい手の健康な暮らしにつながること、また設計段階におけるきめ細やかな提案が大事であるということをあらためて感じさせられる質問構成になっている。

それらに関して、北洲では健康で快適に暮らすための8つの性能を掲げて、建築士が一邸一邸丁寧に実践してきたため、今回の調査結果につながったとも考えられる。

また、下図の健康チェックリストの総合スコアと主観的健康感の関係をみてもわかるように、北洲の住まいの居住者は主観的健康感が高いということが言えるのではないだろうか。

 

出典:CASBEEすまいの健康チェックリストについて(パンフレット)
https://www.ibec.or.jp/CASBEE/casbee_health/files/pamphlet.pdf

 

『すまいの健康チェックリスト』でぜひ住まいの健康性チェックを!

CASBEE『すまいの健康チェックリスト』は、ホームページ上で50項目の質問に答えるだけの簡単な調査だ。ぜひあなたの住まいもチェックしてみてはいかがだろうか。

 

▼CASBEE『すまいの健康チェックリスト』
https://www.jsbc.or.jp/CASBEE/health_check/index.html

 

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