血圧低下への効果に住まいの暖かさが関係していることは繰り返し紹介してきたが、
住む人の特性・属性によってその効果に差があるのか、ということを調べた興味深い研究結果が報告されている。

 

断熱改修により朝の血圧が有意に低下!

「スマートウェルネス住宅等推進調査委員会」による最新の研究調査結果を紹介したい。
まずは断熱改修が住む人の血圧の低下に大きく影響を与えていることを改めて示す分析結果が下記のとおり。

 

 

上記グラフは、断熱改修を実際に行った1578名(942世帯)のデータを分析した結果である。
起床時の最高血圧と最低血圧それぞれのBefore-Afterだが、
断熱改修により、最高血圧・最低血圧ともに有意に低下していることがわかる。

※このテーマについては、既に「あたたかい住まいと血圧の関係」で紹介している。

 

本題はここからだ。

住まいの暖かさが血圧に大きな影響を与えていることは紛れもない事実と言っても過言ではないだろうが、今回の報告では、さらに一歩踏み込んで、対象者の属性によってその結果に差があるのかを詳しく分析しているのだ。

 

断熱改修による血圧の低下に、属性ごとに有意な違いが!

その調査の結果が次のとおりである。
※比較数値は朝の最高血圧変化量

「高齢者」ほど血圧低下への効果が高いことの他、男女の違い、そして「塩分摂取量」の多い少ないという違いが数値に大きく影響していることがわかる。
また、「喫煙習慣」や「飲酒習慣」の有る人の方が血圧低下の変化量が大きいことが見て取れる。
そしてもっとも変化量の違いが大きかったのが、「高血圧による通院歴」による違いだ。

 

循環器疾患のハイリスク者ほど、断熱改修による恩恵を受けやすい!

分析結果を見ると、「高血圧による通院歴」を筆頭に、「喫煙習慣」や「塩分過多」「飲酒習慣」といった “循環器疾患の発症の危険因子” とされる項目にもともと当てはまっている人は、そうでない人に比べて、断熱改修による血圧低下の効果が高いことがわかる。

生活習慣を見直して少しでも循環器疾患のリスクを減らす努力も大切だが、
断熱改修によって家を暖かくすることが、そのリスクを低下させるための、より効果的な近道と言えるかもしれない。
循環器疾患へのリスクを抱えた人たちには特に、断熱改修で暖かな住まいを手に入れることの大きなメリットを今後も伝えていきたい。

 

※ 循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる臓器である⼼臓や⾎管などが正常に働かなくなる疾患のことで、⾼⾎圧・⼼疾患(急性⼼筋梗塞などの虚⾎性⼼疾患や⼼不全)・脳⾎管疾患(脳梗塞・脳出⾎・くも膜下出⾎)・動脈瘤などに分類されます。(厚生労働省ホームページ「e-ヘルスネット」より)
※ 記事内のグラフは「スマートウェルネス住宅等推進調査委員会」の第4回報告会資料をもとに、リライトしたもの。