厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査結果の概要」という資料には、健康に関する様々な項目ごとに日本の実情が示されている。
今回はその項目の一つである「睡眠」に関する課題と、それにまつわる研究結果を紹介したい。

 

国民の5人に1人は睡眠に問題を抱えている。

前述の『平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要』によると、「睡眠による休息を十分にとれていない者の割合」は平成21年の調査時には18.4%。
その後浮き沈みはあったものの、有意に上昇傾向が見られ、平成30年の調査では、21.7%に達している。
つまり、いまや5人に1人は何らか睡眠に問題を抱えているということだ。

厚生労働省『健康日本21(第二次)』に掲げられた目標は、2022年までにその割合を15%にまで削減すること。
不眠は免疫力の低下など様々な健康リスクにつながるとされており、睡眠問題は日本における喫緊の課題になっている。

 

 

睡眠と温熱環境の関連性から課題解決の糸口を!

そんな中、スマートウェルネス住宅等推進事業調査『第4回報告会』(2020年2月18日)において、睡眠問題における課題解決へのひとつのヒントが提示された。
少し専門的な文言が並ぶが、研究結果の一部を見ていきたい。

4,245名を対象とし、睡眠障害指標「ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)」を用いた5年にわたる調査の結果である。

まず、「入眠潜時」つまり“眠りにつくまでの時間”が30分未満の“寝つきがいい”グループと、30分以上かかる“寝つきが悪い”グループに分けた。
その上で「就床前居間室温」つまり“寝つくときの部屋の温度”を温暖群、中間群、寒冷群に分けて調査したところ、就床前の室温が低いほど寝つきが悪くなる傾向があることがわかった。

また、4,245名のうち1,983名についてはさらに追跡調査を行い、「睡眠障害群(878名)」と「非睡眠障害群(1,105名)」の2つのグループに分けて結果を分析したところ、下記のような温熱環境との関わりが見いだされた。

 
就寝前の室温が低下することで、
睡眠障害の改善を妨害、あるいは発症を助長させる可能性があることがわかったのだ。
「入眠潜時(眠りに入るまでの時間)」についても同様の傾向があることが確認された。

 
健康に大きく寄与する「睡眠」。
就寝前には可能な限り暖かな環境に身を置き、そして暖かな寝室で眠ることが、より良い睡眠を取るための大きな要因の一つと言えそうだ。