寒い場所に長い時間いるとトイレに行きたくなる。
そんな、寒さと尿意の関連は誰しも思いあたる節があるだろう。
では、家の中ではどうだろう。
寒い家に住む人と暖かい家に住む人では「尿意」に関しての違いが生まれるのだろうか。

 

低い室温と過活動膀胱(かかつどうぼうこう)との関連性は?

日本サステナブル建築協会の委員会が行った研究によると、
「就寝前の室温が低い住宅の居住者ほど、過活動膀胱症状である確率が有意に高い」ことがわかってきている。(スマートウェルネス住宅等推進調査委員会 研究企画委員会 2019.2.1)
過活動膀胱(かかつどうぼうこう)とは急に我慢ができないほどの尿意をもよおす「尿意切迫感」や、いわゆる「頻尿」「夜間頻尿」が代表的な症状だ。(以下「頻尿など」とする。)
寒い家に住んでいる人の方がそれらの症状を持つ確率が高いという。
長時間寒い外にいたりすると尿意をもよおしやすいのと同じことが、家の中でも当てはまることがその研究で証明されつつあるのだ。

 

家を暖かくすれば症状は変わる?

では、頻尿などの症状を持った人の家を断熱改修で暖かくした場合、その症状に変化はあるのだろうか?
同委員会の研究によると、「断熱改修によって室内の温度が上昇した世帯は室温が変わらなかった世帯群よりも、1~2年後に過活動膀胱である割合が概ね半減した」という結果が報告されている。(スマートウェルネス住宅等推進調査委員会 研究企画委員会 2019.2.1)
つまり、頻尿などの症状を抱えている人は、家を暖かくすることにより、1~2年後にはその半数程度の人の症状が緩和している、ということだ。
逆に室温が低下した世帯では症状を訴える割合が倍増したという。
これらの結果を踏まえ、委員会では「断熱改修によって就寝前居間室温が上昇した群では過活動膀胱症状が有意に抑制」されているという内容を“得られつつある知見”として結論づけている。

 

今後さらなる研究成果が発表されることになるだろうが、家の寒さが過活動膀胱に影響を及ぼしていることはほぼ確実と言えそうだ。
夜間頻尿などの症状を抱えた人たちにとっては、家を暖かくすることでその症状を抑制させる可能性をもった「断熱改修」が新たな解決の糸口になるのかもしれない。
今後の研究経過も引き続き追っていく。