住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査を行っている、国土交通省のスマートウェルネス事業。この事業については、今までもその調査・研究結果を様々な記事の中で取り上げてきた。

血圧への影響については何度か触れているが、今回はまた違ったトピックを紹介したい。

それが、動脈硬化や心電図異常についての研究成果である。

 

動脈硬化指数を左右する、朝の居間室温

心筋梗塞や脳卒中、大動脈瘤などの病気の引き金にもなる動脈硬化。その動脈硬化リスクを示す数値である「動脈硬化指数」にも、家の寒さが影響しているという。

 

 

統計学の用語が散らばっていて難解ではあるが、朝の居間の平均室温が低い家に住む人ほど、動脈硬化指数が有意に高いことがこの表で示されている。

 

16℃以下の寒い朝が、心臓への負担を増やす

また、心電図異常所見の有無にも「室温」が関連していることが、新たに得られつつある知見として検証されている。朝の居間の平均気温が低い家、具体的には朝の居間室温が16℃未満の家に住む人は、16℃以上の家に住む人に比べて「心電図異常所見あり」と診断される確率が1.8倍高かったのである。

 

 

「住まいの暖かさは健康の源」がスタンダードに

こうした具体的な検証結果をもとに、動脈硬化指数への影響、そして心電図検査異常所見への関わりを改めて見てみると、我々の健康に対する「室温」の作用がいかに高いかがよくわかる。

興味深いのは、一般的に問題とされる「喫煙」や「飲酒」、「塩分摂取量の調整」や「意識的な運動の促進」といった事柄よりも、「室温に気を配って、暖かい室内に身を置く」ことの方がより影響力があることを示していることだ。

住まいの暖かさが健康の源であることが、多くの人々に認知される日も近いのではないだろうか。