暖かい家が、いかに住む人の健康にメリットがあるか、ということについては、
これまでの記事でも紹介してきた。
今回は、「木質化」 という新たなキーワードを紹介したい。

「木質化(もくしつか)」 
聞き慣れない言葉だが、簡単に言うと、床や、天井、壁など家の中(インテリア)に「木」をあしらうこと。
「内装の木質化」 というとイメージしやすいだろうか。

実はこの「内装の木質化」の度合いも、住む人の健康に影響を及ぼすことが実証されつつある。

 

「断熱」 と 「無垢の床材」の組み合わせで血圧の低下を促進。

 
次のグラフを見て欲しい。

この実験では、暖かい部屋に移っただけで血圧が5mm下がるだけではなく、無垢の床材を内装に
用いている部屋の場合は、さらに5mmも血圧が下がるという結果が出ている。
(無断熱の部屋でも、無垢床材にするだけで5mm低下している)

「室温と血圧の関係」に関する実証結果や知見は過去の記事で紹介済みだが、それとは別に
「室内の木質化」により、さらに血圧の低下を促進できることが読み取れる実験結果と言える。

その要因は何か。
キーワードは「表面温度」だ。

 

「体感温度」に大きく影響を与える「表面温度」

 
上記の実験は、室内温度だけではなく、床などの表面温度がいかに体感温度に影響するかがわかる実験でもある。

体感温度は、「室温」+周りの「表面温度」の合計を2で割った値で計算される。
体感温度 =(「室温」+「表面温度」)÷2

この関係は下記のような例で、よりイメージできるのではないか。

例えば、真夏の日中、気温30℃の戸外にいたとしよう。

①アスファルトの上に立っている場合、道路の表面温度はどんどん熱くなり55℃くらいに
なることもある。その時の体感温度は・・・(30+55)÷2=42.5℃。
体感温度は42.5℃もの暑さ。

②トンネルの中を歩いている場合。トンネル内部の表面温度(壁や道路)はかなり低く、
20℃くらいだったとしよう。その時の体感温度は・・・(30+20)÷2=25℃。
体感温度は25℃。

①②とも、気温が同じ30℃にも関わらず、体で感じる温度にはこれだけの差が出るのだ。
木々に囲まれた森の中を歩いていて涼しさを感じるのも、周囲の表面温度が低いことによる。

これが「室内」でも同じことが言えるということだ。(下記イメージ)

室温が同じでも、床や壁の表面温度の差で「体感温度」が大きく変わってくることは、
意外に知られていない事実かもしれない。

木質化により「表面温度」が高くなることで体感温度が上がり、それによって血圧にも良い影響を及ぼすということが上記の実験結果に表れているのだ。
 
断熱化によって「室温」を上げ、木質化によって「表面温度」を上げる。
これが「断熱+木質化」が最強のコンビであるという所以である。
 
次回は、木質化が果たすもう一つの効果について紹介したい。